私たちの口の中で常に分泌されている唾液。実は唾液には様々な働きがあり、私たちの身体にとってなくてはならないものなんです✨
唾液は唾液腺という器官で作られてお口の中に分泌され、その分泌量は健康な成人で1日に1~1.5Lと言われています。
分泌量は時間によって多いとき、少ない時があります。食事のときなどは増え、睡眠時や緊張時などには減ります。
今回は、唾液が持つ様々な効果・はたらきについてご紹介していきます。
消化を助ける
唾液には消化を助ける消化酵素という成分が含まれています。唾液に含まれる消化酵素はアミラーゼといい、咀嚼(噛むこと)によって食べ物と混ざり合い、炭水化物(デンプン)を糖(麦芽糖)へと分解してくれます。
抗菌作用
唾液は様々な抗菌ファクターを含んでいます。この抗菌ファクターたちが口内に侵入してきた細菌やウイルスの活動を抑えてくれます。お口は外の世界と繋がっているので細菌やウイルスの門戸と言えます。唾液の抗菌作用が細菌やウイルスから身を守る門番の役割をしてくれているのです。
緩衝作用
私たちのお口の中は基本的には中性ですが、食事をとったりジュースを飲んだりするとお口の中は酸性に傾きます。酸性の状態が長く続くと歯は溶けてしまい虫歯になってしまいます。そうならないように酸性のお口の中を中性に戻そうとする働きが唾液にはあります。この働きを緩衝作用と言います。
再石灰化作用
唾液にはカリウムやリンなどのミネラルが含まれています。これらのミネラルが虫歯になりかけで溶けかかっている歯の表面を修復してくれます。そうすることで虫歯になりかけていた歯は再び強い頑丈な構造へと戻ることができます。このように溶けかけていた歯の表面が再び強い頑丈な構造へと戻ることを再石灰化と言います。
口臭予防
唾液分泌量の減少は口臭のもとです。唾液には口臭の原因となる細菌を殺菌する働きがあります。唾液が少なくなると口臭の原因となる細菌が繁殖して口臭を発生させます。睡眠中は唾液の分泌が減るので、寝起きの状態の口臭が強いのはこのためです。
粘膜保護・潤滑
唾液がお口全体を覆って潤すことで以下のような効果があります。
- 食事の際の咀嚼(噛むこと)、嚥下(飲み込むこと)をスムーズにしてくれます。
- 舌がスムーズに動くことで発音がしやすくなります。
- 義歯(入れ歯)が歯茎に吸着したり、摩擦から粘膜を守ります。
自浄作用
食事をすると食渣(食べかす)がお口の中に残ります。食渣をそのままにしておくと、これを餌として細菌が繁殖し虫歯の原因となってしまいます。これを防ぐために唾液が貯まった食渣を洗い流してくれます。これを唾液の自浄作用と言います。
味覚
舌の表面には味を感じる器官があります。食べ物に含まれる味物質を唾液が運ぶことで食べ物の味を感じることができます。
こんなにもたくさんのはたらきが唾液にはあるんです。
唾液が私たちのお口、体にとって大事なものであることはお分かりいただけたかと思いますが、唾液の分泌量が減ってしまう場合があります。
唾液の分泌量が少なくなるケース
- 生理的なもの(不安・緊張、睡眠中、高齢化など)
- 薬(抗不安薬、抗うつ薬、降圧薬など)
- シェーグレン症候群などの唾液腺の疾患
- 全身疾患(脱水症、糖尿病、腎疾患、貧血など)
- 顎顔面領域悪性腫瘍に対する放射線治療による唾液腺の萎縮
唾液が少なくなった時に生じること
- 食べにくい、飲み込みにくい
- 喋りにくい
- 口の中がネバネバする、乾燥する
- 口臭が強くなる
- 虫歯や歯周病のリスクが上がる
- 粘膜や舌がヒリヒリと痛くなる
- カンジダ症 など
おうちでできる唾液の分泌を促進する方法もあります。
- 唾液分泌を促す食品の摂取(ガム、梅干し、酢の物、レモンなど)
- 唾液腺のマッサージや舌の体操、口腔の体操
これらの方法である程度は唾液が分泌されますが、根本的な原因は解消できません。
根本的な原因は歯医者さんやお医者さんでの診察が必要ですので、最近お口の乾きが気になるという方はぜひご相談ください。
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