当院には口の中のトラブル(歯が痛い、歯茎が痛いなど)を抱えて受診してくださる方が多いのですが、実は口の中のトラブルがない方、今までむし歯になったことがない方も実は多くいらっしゃいます。
そういう方は歯科医院を受診する機会がないと思いますが、果たしてそれで大丈夫なのでしょうか?
実は、むし歯になったことがない方のお口の中にもたくさんの口腔内細菌が潜んでいます。口腔内細菌にはおおまかにわけると2種類ありまして、むし歯菌型の細菌、歯周病菌型の細菌がいます。
どちらが多いかによって、「むし歯になりやすい口腔内環境」「歯周病になりやすい口腔内環境」が決まります。だいたい人間はこの2パターンに分けられます。
つまり、むし歯になったことがない方も今後、口の中のトラブルを抱える可能性があるということです。
むし歯になったことがない方が歯周病になりやすい原因
- 歯科医院に行く機会がなかったため
痛みがない方は、歯科医院に行くことがありません。つまり「ご自身の自覚症状」がでるまで病状に気づけないということです。歯周病は特に発症しても初期から中期では痛みがでないことが多く、痛みや違和感が気づくころには重度歯周病になっており、手遅れになることが多いです。
歯科検診では初期の段階で歯周病を発見できますので、歯科検診に行っている方と行ってない方では歯周病の進行具合が全く変わってきます。
- 今まで真面目に歯ブラシをしていなかった、ブラッシング習慣がなかった為
今までむし歯になったことがない方は、実は歯磨きをあまりしていないという方も少数いらっしゃいます。実際、むし歯菌が少なかったり、唾液の自浄作用などでむし歯になりにくい口腔内環境の方がいますので、そういう方はあまり歯磨きをしなくても今までむし歯にならなかったということがあります。が、歯周病は別問題です。歯磨きをしなかったことにより、歯垢や歯石がたまることで歯茎の炎症が起き、歯周病は必ず進行します。今までむし歯になりにくかったことでしっかりとしたブラッシング習慣がついていない方が、30代40代から歯周病を発症し、ひどく進行してしまうことが多々あります。
歯周病とは怖い病気で痛みがなく進行していき、自分でおかしいなと思ったときには手遅れになっています。それを防ぐため、現在国会などでは「国民皆歯科検診の導入」などが言われていますよね。
日本は欧米などに比べて、むし歯、歯周病などの口腔内疾患へのデンタルIQが低いので、口腔内トラブルに関しては遅れをとっていると言えます。口の中、特に自分の歯でしっかり噛んで食事ができるということは、健康のためにも、QOLのためにも、とても大切なことです。
是非、現在、口の中のトラブルがない方も早めに歯科医院を受診して、
歯周病治療、歯周病の予防をしていきまししょう。
定期検診のメリットは「小さなむし歯や初期の歯周病を発見し、早期治療を行うことで今の口腔内の良い状態を保ち、健やかな生活が送れる」ことです。
定期検診の予約は随時お受付しております。