みなさんは寝ているときに歯ぎしりをしていると指摘されたことはありませんか?歯ぎしりは夜間就寝時に起こる事が多く、ぎりぎりと音を立てます。また、重いものを持ったり、なにかに集中しているとぐっと食いしばる方もいらっしゃいます。この歯ぎしりと食いしばりはかなり大きな力が歯に加わっている状態となり、歯へのダメージが大きいことがわかっています。ご自身の歯をできるだけ長持ちさせていくためには、歯磨きによってむし歯・歯周病を予防していくだけでなく、このような力のコントロールをしていくことも重要です。
歯ぎしりと食いしばり
歯ぎしりは、上下の歯と歯が噛み合った状態で顎を左右に動かすことを指します。人によってはかなり大きな音が発生するため、比較的発見しやすいといえます。歯ぎしりによって歯は横に揺さぶらせる力がかかり、この向きの力に対して歯は非常に弱いため大きなダメージを負ってしまうのです。
また、歯ぎしりは音がするので他人から指摘される事が多いのですが、食いしばりは音がしないケースが多くなかなか発見することができません。夜間就寝時は特に大きな力が発生して、その力は体重の5倍以上と言われています。
歯ぎしりや食いしばりをしている人の特徴
①歯がすり減って歯の頭が平らになっている
歯ぎしりがある方は、歯のすり減りが顕著な事が多いです。
②頬の内側に凸凹の圧痕がある
食いしばると頬のあたりにある筋肉が肥大します。頬がお口の内側に盛り上がってくることで、歯列に強く押し付けられた痕がみられます。
③骨隆起
お口の中に骨が盛り上がってできた骨隆起と呼ばれるものが見られます。歯に強い力がかかると、歯を支える骨が盛り上がってくるのです。
歯ぎしり食いしばりの弊害
歯ぎしり食いしばりによって起こるトラブルを挙げていきます。
①知覚過敏
歯に力が加わると、その力は歯と歯茎の間のあたりに集中して、歯の表面がポロポロと剥がれてしまいます。そして、冷たいものや温かいものの刺激が伝わりやすくなって、しみるといった症状が出てきます。
②歯周病の進行
歯周病は細菌感染によって歯を支える骨が溶けてしまう病気ですが、歯ぎしりや食いしばりがあるとさらに歯を支える骨が溶けてしまい、歯周病を進行させてしまいます。
③むし歯の多発
歯ぎしりや食いしばりで歯に力がかかると、歯の表面に細かい亀裂が入ります。その亀裂内にむし歯の原因菌が入り込み、中でむし歯が進行してしまうのです。
④詰め物が取れやすい
むし歯の治療をしたあとには歯に詰め物をします。詰め物はセメントによってつけられるのですが、歯を揺さぶる力がかかるとそのセメントが溶け出してポロッと取れてしまうことがあります。
⑤歯が割れやすい
歯に強い力がかかると、歯が耐えきれなくなり結果として歯が割れてしまうことがあります。歯の割れ方にもよりますが、歯が割れてしまうと歯を抜かないといけないことが多いです。
歯ぎしり食いしばりがある方への治療
食いしばりがある方は、夜間だけでなく昼間にされることがあります。仕事に集中しているとき、重いものを持つとき、ストレスを感じたとき、自覚なく食いしばっています。日中の食いしばりは、自覚したときに緩めてもらうことが一番です。
ただ夜間就寝時に行われる歯ぎしり・食いしばりはコントロールすることができません。
夜間かかる強い力から歯を守っていくために、マウスピース(ナイトガード)の使用をおすすめします。上下の歯と歯の間にマウスピースが入ることで歯に掛かる力を和らげてくれます。
まずは自覚するところから
ご自身の歯をできるだけ長く守っていくために、まずは歯ぎしり・食いしばりをされていることを自覚することが重要です。日中されている方は、自覚したときにゆるめることが歯を守ることに繋がります。気になることがございましたらお気軽にご相談ください。
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