交通事故やスポーツなどの外傷で歯が折れてしまったり、抜けてしまうことがあります。また口が切れてしまうこともあると思います。
今回はそのような場合どのように対応していけば良いかをご説明していきます。
お口まわりの怪我として以下のようなものが挙げられます。
- 口の中や口の外側が切れる。裂ける。
- 歯をぶつけた。
- 歯がぐらぐらしている。
- 歯をぶつけて、歯の位置が変わった。
- 歯が抜けた。
- 歯が折れた。
状態によって、対処方法が変わってきますので、一つずつお話ししていきます。
- 口の外側が切れた場合ですが唇までであれば、口腔外科を行っている歯科医院で対処することができます。傷が浅い場合は、消毒等で経過観察を行う場合もありますが、傷が深い場合や、出血がひどい場合は、糸で縫合しないといけません。
- 歯をぶつけた場合ですが、歯をぶつけてぐらぐらしていない場合でも、後々歯の中の神経が死んでしまうことがあります。その場合は、歯が黒っぽく変色してきたり、歯茎に膿の袋ができてきます。ぶつけた直後からしばらくは経過を追って見ていく方が良いので、何もなさそうでも一度歯科医師に診断してもらうことをお勧めします。
- 歯がぐらぐらしている場合は、そのままにしておくと抜け落ちてしまったり、歯の位置が元々の位置からずれたところで治ってしまうことがあるので、大きく動揺している場合はワイヤーなどで正しい位置に固定をしてもらいましょう。歯の動揺が小さい場合は経過観察でも良いこともあります。
- 歯の位置が変わってしまった場合は、元の位置に戻して固定する必要があります。歯をぶつけて歯茎の中に埋まってしまうことも稀にありますが、この場合はそのまま経過観察していれば、また元の位置に戻ってくることが多いです。
- 歯が抜けた場合ですが、やってはいけないことや大切なことがいくつかあります。
- 抜け落ちた歯を流水で30秒以上洗わない。→流水で30秒以上洗うと歯の周りの大事な組織が死んでしまいます。一番良いのは水で洗わずに歯の保存液(ティースキーパー)や生理食塩水もしくは牛乳で洗い、抜け落ちた歯を自分で元の位置に戻すことです。どうしても水道水で洗わなければいけない場合は、30秒以内にしてください。自分で元の位置に戻せない場合は、歯の保存液や牛乳もしくは生理食塩水につけて歯科医院に待っていきましょう。ティースキーパーは、歯を最もいい状態で保ってくれます。学校の保健室に置いてあることも多いです。
- 乾燥させない。歯は18分乾燥させると、周りの大事な組織が死んでしまいますので、乾燥はさせないようにしてください。
- なるべく早く歯科医院を受診する。保存液につけていた場合でも、早く歯科医院で治療を行うことが一番重要なので、すぐ受診するようにしましょう。
- 歯が折れた場合は、折れ方によって対応が変わります。
- 神経が見えていない場合や亀裂が神経に達していない場合折れた歯を、接着させるか、プラスチック系の材料で修復します。
- 神経が見えている場合、亀裂が神経まで達している場合神経をとらないといけない場合が多いですが、神経を温存できる可能性もあるので、できる限り早く歯科医院を受診しましょう。
- 歯が歯茎の中の部分で折れている場合、亀裂が歯茎の中まで達している場合歯が残せない可能性があります。温存可能であれば、できる限り歯を温存する処置を行いますので、早めにご連絡ください。
以上のように、お口の周辺の怪我は、応急処置も大事になりますし、何よりも歯科医院に早く行くことが、歯の保存に大きく関わってきます。また、日頃からかかりつけの歯医者さんでみてもらうことも非常に重要です。歯を元に戻す場合なども、怪我をする前の、口の中の資料があればより確実に治療を行えるためです。
また、お子さんの場合は、歯医者さんに慣れていないと嫌がって治療がうまくいかない場合もあります。
お口の悩みや外傷、急な歯の痛み、クリーニングなど、当日でも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。