当院では患者さんになるべく痛みを与えない、無痛治療を心がけています。
無痛治療のためにどんなことを行っているかをご紹介いたします。
表面麻酔の使用
痛みを麻痺させるための麻酔ですが、麻酔のお薬を体内に注入するためには注射の針を刺さなくてはなりません(注射の針を刺すことを刺入と言います)。痛みを麻痺させるための麻酔のはずが、麻酔そのものにも痛みがあるということになります。そこで当院が用いているのが表面麻酔です。表面麻酔はクリーム状の麻酔薬で麻酔をする部位に塗って使います。表面麻酔の麻酔薬としての効力は弱いため表面麻酔のみでは治療の痛みを完全に取り除くことはできませんが、麻酔の注射の針の刺入の痛みを和らげることができます。
極細の注射針の使用
麻酔のお薬を体内に注入するためには針で刺す必要があります。太い針を刺すのと細い針を刺すのではどちらが痛そうですか?細い針の方が痛くなさそうだということは何となく想像ができるかと思います。当院で用いている注射の針は33G(約0.26mm)という規格のものです。G(ゲージ)という馴染みのない単位ですが、数字が大きいほど細いということになります。ちなみにファッションピアスを開ける際に用いる針が18〜20G(約0.8〜1.0mm)ですので、当院で用いている注射の針はファッションピアスの針のおよそ1/4程度の細さということになります。このように極細の注射針を使用することで刺入の際の痛みを和らげます。
刺入の際の工夫
刺入の際、針を刺す部位が弛んでいる状態だと痛みを感じやすく、ピンと張っている状態だと痛みを感じにくいと言われています。刺入の際は唇やほっぺたを少し引っ張らせていただき、粘膜をピンと張った状態にして刺入します。また、刺入の部位にも工夫があります。まずは痛みを感じにくい箇所に刺入し麻酔を効かせ、段々と痛みに敏感な部位へと麻酔を進めていきます。
電動麻酔器の使用
ホースで水を流しているとき、ホースをつまんで直径を小さくすると水が勢いよく出る、ということは皆さんご経験があるかと思います。これは注射においても同様です。刺入の痛みを軽減するために極細の注射針を用いていると先ほど述べましたが、極細の針では麻酔薬が勢いよく出るということになります。体内に麻酔薬を注入するとき、勢いよく注入するのとゆっくり注入するのではどちらが痛そうですか?ゆっくり注入した方が痛くなさそうだということは何となく想像ができるかと思います。つまり、麻酔薬はなるべくゆっくり注入した方が、注入の際の痛みは感じにくくなります。しかし注入のスピードの微細なコントロールは少し難しく、注入のスピードにムラが生じたりしてしまいます。そこで当院で用いているのが電動麻酔器です。これは自動で麻酔薬を一定のスピードで注入してくれる機械です。これを用いることで一定でゆっくりと麻酔薬を注入することが可能となり、注入の際の痛みを和らげることができます。
笑気の使用
笑気は産婦人科の無痛分娩にも使用されている、安全性の高い気体の麻酔です。笑気を吸うと不安や緊張が軽減したり、少し眠くなったり、痛みを少し感じにくくなります。全身麻酔のように完全に意識がなくなることはありません。また、笑気だけで痛みを全く感じなくなる訳ではないので通常の麻酔も併用します。覚醒が早いのも笑気の特徴で、笑気の吸入を中止してから数分で意識や気分は元通りになるので、治療終了後すぐに帰宅することが可能です。
静脈内鎮静
静脈内鎮静とは腕の血管(静脈)に点滴をとり、そこから麻酔の薬剤を注入して鎮静・鎮痛効果を得る方法です。鎮静剤を使用すると眠たいような状態となります。全身麻酔のように完全に意識がなくなることはありません。当院ではミダゾラムという鎮静剤を用いています。腕の静脈に血管確保のための柔らかい針を入れ、点滴しながら鎮静剤を注入します。当院では必ず自動血圧計やパルスオキシメーターを装着しモニタリングを行い、呼吸状態や循環動態の把握と対応を行います。覚醒後も鎮静剤の影響が残ることがあり、眠気やふらつきが生じることがあるので、治療後はしばらく院内で休んでいただきます。当日は自動車やバイク、自転車などの運転はできません。また、危険を伴う仕事もすることはできません。静脈内鎮静だけで痛みを全く感じなくなる訳ではないので通常の麻酔も併用します。
今回は当院で行っている無痛治療についてご紹介いたしました。
痛みに敏感、痛みが苦手、歯医者が苦手だという方はご気軽にご相談ください♫
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